【読売新聞】にて弊社の”子ども支援”の取組みが掲載されました。

読売新聞にて弊社代表の【子ども|若者支援】の取り組みを取材して頂きました。

【以下、全文掲載いたします。】

 子どもや青少年が安心して成長できる社会を。

そんな願いを込めて複雑な家庭環境で育った若者たちのシェルターとなるシェアハウスや、経済的な支援が必要な親子らのための子ども食堂の運営に取り組んできた。

 6月中旬、南区の空き家を活用した「空き家バンク京都」事務所周辺は、月に1回の子ども食堂でにぎわっていた。この日のメニューは唐揚げ弁当か鶏の照り焼き弁当にあんみつ。チョコレート1袋と冷凍の油揚げに生八つ橋がお土産で配られた。100食の弁当は、余った食材や賞味期限が迫り、企業が提供した食品を使ってスタッフが手作りしており、予約開始1分で売り切れる人気ぶりだ。

 子どもはお菓子を手にジャンプして喜び、母親も「ここに来ると色々な人と話せて気分転換になる」と笑顔。そんな親子の様子に「いっぱい食べてね。今日は蒸し暑いから気を付けて」と声を掛け、子どもに手を振った。

 2016年に今の会社を設立する前は民泊や飲食店などを幅広く展開する別の会社を経営。しかし、26歳の時、コストが膨らんで倒産を余儀なくされた。

 収入を補うため、ホテルの清掃員を2か所掛け持ちしつつ、鮮魚店で魚をさばく仕事に就き、三つの職場で働き始めた。睡眠時間を削り、食事もまともに取れない日々が続き、清掃で入った客室に客が残したラーメンにものどが鳴った。生きている実感も失いかけていた。

 後ろ向きだった自分を変えてくれたのは、倒産後も「付いていきます」と言い続けてくれた元部下や、家族の存在だった。信じてくれる人がいることに気付き、失敗を恐れず再起することを誓った。

 新事業は増え続ける空き家に着目。路地に密集し建て替えができない古い民家を低コストで改修し、レストランやカフェに貸し出すことを始めた。

 また、京都駅や嵐山などの観光地周辺で観光客や移住者向けのシェアハウスを建設。それだけでなく、劣悪な家庭環境から逃れようと家出してきた女子高校生や大学生らの居場所になれば、と公益財団法人「京都市ユースサービス協会」と連携して若者たちにも部屋を提供した。

 女子生徒らから連絡があれば、駅まで迎えに行くこともある。おびえていると話に耳を傾け、味方でいられるよう心がけてきた。

 報われない時もある。「ごめんね。今までありがとう」。そう書かれたメモを連絡が取れなくなった子の部屋で見つけ、支えきれなかった己のふがいなさを痛感した。

 目標を見つけ夢に向かって羽ばたく学生もいた。シェアハウスを離れた数年後、「次は私が子どもを助けたい。力になれることはない?」と告げる電話に、やってきたことは間違いがなかったと感じた。

 子どもの笑顔を励みに、赤字覚悟で続けてきた子ども食堂はもうすぐ1年。シェアハウスは設置から5年が過ぎ、入居する学生らが食堂のスタッフとして子どもと接する機会も増えた。

 ここで過ごした子どもがいつか大人になり、困っている誰かを助ける存在になってほしい。支援の輪が年代を超えてつながるような好循環を期待する。「子どもが学校で習えないことを伝えたい。苦しいことがあっても向上心を持ち続けることが大切で、彼女たちがそれを感じ続けられる手助けをしていきたい」(岡田優香)

 ◆すずき・かずき 1988年、三重県生まれ。子ども食堂は毎月いずれかの日曜午前開始で、7月は23日午前11時から。これまでに外国人との交流や手話などの体験コーナーも設け、今月は盲導犬と触れ合える。問い合わせは空き家バンク京都の子ども食堂(075・644・7613)。

読売新聞