「前向きな人、素敵な人が集まる空間にしていきたい」―『Hair and Esthetic STELLA…』オープン前インタビュー

「前向きな人、素敵な人が集まる空間にしていきたい」―『Hair and Esthetic STELLA...』オープン前インタビュー

京都は丸太町。烏丸通りを挟んで正面に御所を望んだ駅徒歩3分の好立地に、新たなサロンがオープンする。歴26年のベテラン美容師でありエステティシャンでもある、圓谷静香(えんたに しずか)さんのプライベートサロン『Hair and Esthetic STELLA…』(ヘア アンド エステティック ステラ)だ。

『Hair and Esthetic STELLA…』の店内(写真提供 : 圓谷さん)

圓谷さんは、2019年までドイツの地で美容院『Hair Make Chika』を経営しており、欧州リーグで活躍する日本人サッカープレイヤーたちから指名を頂いていたキャリアを持つ。

圓谷さんがドイツで経営されていた美容院に来店してくださっていた日本代表のサッカー選手たち

(左)内田篤人選手(中)吉田麻也選手と圓谷さん(右)香川真司選手(写真提供 : 圓谷さん)

そんな圓谷さんは、なぜ京都の地で新たなスタートをすることにしたのか。ドイツではどんなキャリアを歩んできたのか。どうして「ヘアー×エステティック」なのか。そして、圓谷さんは『Hair and Esthetic STELLA…』をどんなお店にしていきたいと考えているのか。

圓谷さんにお話を伺うとともに、実際に来店してヘアカットとヘッドスパの体験をさせていただいた。

(取材・文 : 充紀 / 写真 : yukina

◎ プロフィール

■ 圓谷 静香(えんたに しずか)
1975年生まれ。兵庫県神戸市出身。歴26年のキャリアを持つ美容師であり、2019年まではドイツの地で『Hair Male Chika』を経営。エステティシャンの資格も併せ持つ。また、ドイツでは欧州リーグで活躍するサッカー日本代表選手たちのヘアメイクを手がけていた。2020年に日本へ帰国後、京都の地でプライベートサロン『Hair and Estetic STELLA…』を立ち上げる。 (→ Twitter / note / Instagram

 

プライベートサロン『Hair and Esthetic STELLA…』とは?

『Hair and Esthetic STELLA…』は、セット面1面、シャンプー台1面、エステ施術用の個室1部屋のみの予約制プライベートサロンだ。カットやカラー、パーマといった通常の美容院のメニューに加えて、「2Bバイオトリートメント」という100%ナチュラルのハーブピーリングを使った本格的なエステを受けることもできる。

ヘッドスパやエステメニューの際に使用する施術用ベッド

エステティックやヘッドスパの施術のために、リラックスできる専用の個室が用意されている(撮影 : 芝山

ヘッドスパメニューも、通常の美容院より力を入れている。セット面ではなくベッドで横になって施術を受けることができ、30分間ゆっくりと頭皮マッサージを堪能できる。リラックスできるだけではなく、天然スクワランオイルによって頭皮の汚れを優しく落としてくれる。

ヘッドスパ体験の様子

ヘッドスパ体験の様子

体験させていただいたヘッドスパメニューの様子。
力強いながらもまったく痛くない絶妙な力加減が気持ち良く、ついついウトウトしてしまった。

なぜヘアー×エステティック? 圓谷さんが美容師だけでなくエステティシャンにもなった理由

ヘッドスパ体験の様子

美容師として26年ものキャリアを持つ圓谷さん。日本ではどうして普通の美容院ではなく「ヘアー × エステティック」のサロンをやろうと思ったのか。理由を聞いてみると、「自分の不満足からはじまったんです」と圓谷さん。

圓谷さん「私自身エステやマッサージに行くのは好きで、ドイツではよく通っていたんです。ドイツは日本よりエステが普及していて、もっとリーズナブルなんですよ。でも、エステやマッサージでせっかく綺麗になっても、髪がぐちゃぐちゃになっちゃうのがいつも残念で……。

特にショートヘアだと襟足は跳ね上がっちゃうし、後頭部はぺっちゃんこ。前髪なんてもう修正不能ですよね。『エステの後にシャンプー&ブローがついてたら最高やわ』って、ずっと感じていたんです。

美容師とエステティシャンの融合。絶対良いメニューが出来るな。そんな想いをずっと温めていました。」

そんな長年の想いを実現させるため、日本で新しいお店をやろうと決めた圓谷さん。帰国してからはエステティックの勉強を本格的に始め、ようやく叶ったのが今回のお店というわけだ。

「メスのいらない美容整形」― そんな異名を持つ2Bバイオトリートメントとは?

ステラのエステティックメニューは、ベルギーで人気のハーブピーリング「2Bバイオトリートメント」を使用している。自分自身が効果を実感して、「エステを習うんだったら、これ習いたい!」と思ったのがきっかけだという。

圓谷さん「ハーブピーリングって色々あるんですけど、2Bバイオトリートメントは原料の産地とか製造している工場とか、出どころが全部はっきりしてるのがいいんですよね。

本社があるベルギーの工場ですべて管理されていて、情報がオープンになっているんです。お肌につけるものですし、どこで採れたかわからないようなものをつけるのはイヤじゃないですか。」

2Bバイオトリートメントはまだ日本ではそれほどの知名度はないが、ヨーロッパではとても有名なブランドのひとつ。20年以上もの間、ピーリングのトップとして君臨している。

圓谷さん「ヨーロッパって、すごいエステサロンが多いんです。向こうでは1ヶ月とか長い休みも多いので、その中の1週間を使って週4回の集中エステを受けるなど、優雅なトリートメントの仕方をされているんですよね。

それにドイツの場合、ナチス時代にやけどを負った方が多かったので、肌を綺麗にしたい、再生したいという強い需要がありました。そんな経緯もあってハーブピーリングが流行した歴史があるので、エステに関してヨーロッパはすごく進んでいますよね。」

▶︎(参考 : 2B BIO BEAUTY 公式サイト

欧州リーグで活躍する日本代表サッカープレイヤーからの指名も!― ドイツでの圓谷さんの美容師キャリア

圓谷さんがドイツで経営されていた『Hair Salon Chika』の店内写真

(写真提供)圓谷さん

ドイツでサロン経営されていたときから温めていた構想を、京都の地で実現された圓谷さん。ところで、圓谷さんはなぜドイツへ渡り、どのような経験をされてきたのだろうか。話を聞いてみると、もともとドイツへ渡ったのは「チャンスを感じて、稼ぎに行くため」だったという。

圓谷さん「ドイツのデュッセルドルフという街でサロンを経営していたんですけど、そこを選んだのは2つ理由があるんです。まず1つが、デュッセルドルフに旅行へ行ったときに、『これはチャンスだ!』って思ったこと。

日本人美容師の技術力の高さって、ヨーロッパでもだんだん認知されてきていまして、フランスとかではもう日本人サロンが流行ってるんです。

でも、ドイツならまだライバルが少ないですし、それにデュッセルドルフは割と治安がよくて日本人も多く住んでます。しかも日本人美容師を募集してるサロンもあったので、『今ドイツに行けば、絶対稼げる!』って感じて、この旅行のときにはほぼドイツ行きを決めました。」

 

そしてもう1つの大きな理由は、白血病で先立ってしまったお姉さんだという。

圓谷さん「英語が得意で海外に興味があった姉は、アメリカにホームステイに行ったり、突然会社をやめて親友とイギリスに語学留学したり……とにかく自分のためにお金を使いまくる自由な人でした。

姉はドイツ語専攻で、ドイツ人のデザイナーのJIL SANDER(ジル・サンダー)が大好きで、ドイツの硬くて酸っぱいパンが大好きで……。あんなにドイツに興味があったのに、一度もドイツに訪れてなかったんです。だから、そんな姉をドイツへ連れて行こうと思って、姉の名前 “Chika” でお店を開いたんです。」

 
圓谷さんがドイツで経営されていた『Hair Salon Chika』の外観

(写真提供)圓谷さん

2008年にドイツに渡った圓谷さんは、2012年までは日本人も多く在籍するサロンで勤め、その後2014年に『Hair Salon Chika』をオープンした。Chikaのお店には、シャルケの内田篤人選手やドルトムントの香川真司選手、さらには吉田麻也選手、槙野智章選手といった、欧州リーグで活躍する日本代表チームのサッカープレイヤーたちが訪れてくれたという。

圓谷さん「もともと私がいたお店のオーナーさんが中田英寿さんや本田圭佑さんを担当していまして、その流れで私も指名をいただけたんです。ありがたいことに内田さんはしょっちゅう来てくださいましたし、香川さん、吉田さん、槙野さんもよく来てくれていました。

内田さんや香川さんはCM撮影あるときなどにも呼んでくださって、ヘアメイクとして同行させてもらうこともありました。みなさんほんと優しくって、ほんとにありがたい限りです。」

 
圓谷さんがドイツで経営されていた美容院に来店してくださっていた日本代表のサッカー選手たち

(左上)内田篤人選手(右上)槙野智章選手(左下、右下)香川真司選手(写真提供 : 圓谷さん)

どうして新天地・京都へ? ― 新しいチャレンジの理由と圓谷さんの想い

ドイツでのサロン経営は順調で、繁盛していたという圓谷さん。そんな『Hair Salon Chika』を閉めて帰国することに決めたのはどうしてだろうか。

圓谷さん「自分の中でやり切った感があったんです。もともとドイツには『稼ぐために』行ったので、それはちゃんとできたのかな、と思います。それで少し疲れちゃったのもありまして、『日本がいい。日本語で喋りたいな』と思ったんです。

そう思ったとき、日本でまたイチからお店をはじめるなら、年齢的にももう帰って準備はじめないとしんどいだろうなと思って、帰国を決めました。」

 

京都を選んだきっかけは、エステの先生が京都に住んでいたからだという。

圓谷さん「どこで出しても、日本では顧客ゼロからのスタートになるのは同じなので、自分の好きなところで出そうっていう気持ちでした。」

京都の地にゆかりを持つわけではない圓谷さんだったが、いろいろな人たちとの出会いに導かれるようにして新店舗のオープンに辿り着いたという。そんな新店舗ステラのコンセプトは「つながる空間」だ

圓谷さん「来てもらったら絶対に満足して帰ってもらうというのは当たり前のことだと思うんですけど、付加価値として、ここに来たら何か情報があるとか、何か人との繋がりができたらいいな、と思うんです。

実際、ドイツでやっていたお店がそうだったんですよね。『あそこのお医者さんおすすめだよ』とか『良い通訳の人知ってるよ』とか、何か困ったことがあれば『良い弁護士さん紹介するよ』とか。デュッセルドルフには日本人も多く住んでいたので、頼ってもらえることも多かったんです。

京都ではイチからのスタートだと思ってたんですけど、ドイツの友達がめっちゃ宣伝してくれて、ドイツ繋がりのお客さんがもう予約してくれているんです。繋がりってすごく大切だなぁって、感じますよね。

このステラでも、ドイツでやってたお店と同じような雰囲気を作りたいです。」

 

圓谷さん「いろんな人に応援されてきたし、今もしてもらっているし、だからそのぶん自分も素敵な人たちを応援していきたいですよね。このお店を前向きな人、素敵な人が集まる空間にできたらいいな、と思っています。

お店自体はシンプルに作っていただいたので、ここではお客さんが主役で、ここに来てくれる人が輝ける場所にしていきたいですね。」

 

2021年10月1日。京都丸太町にて『Hair and Esthetic STELLA…』オープン!

『Hair and Esthetic STELLA...』の最寄駅である地下鉄烏丸線 丸太町駅

地下鉄烏丸線 丸太町駅。ステラに向かうには7番出口が一番近い(撮影 : 充紀)

そんな圓谷さんの新店舗『Hair and Esthetic STELLA….』は2021年の10月1日にオープンする。場所は御所を正面に望む烏丸通り沿い。丸太町駅徒歩2分の、赤いレンガが目印のビル「MACHI WORK御所西」2階だ。

『Hair and Esthetic STELLA...』の店舗がある「MACHI WORK御所西」の外観

ステラの店舗がある「MACHI WORK御所西」の外観(撮影 : 充紀)

まだオープン前だが、ひと足先に圓谷さんのヘアカットとヘッドスパを体験させていただいた。

圓谷さんのシャンプーの様子

圓谷さんのシャンプーの様子

圓谷さんのヘッドスパの様子

圓谷さんのバリカンワークの様子

圓谷さんのヘアカットの様子

圓谷さんのヘアカットの様子

圓谷さんのスタイリングの様子

「もちろん色んなスタイルを切りたいんですけど、一番得意なのはショートやボブヘアですね。潔いスタイルが好きです」と語る圓谷さん。技術の高さは、仕上がりを見ての通りだ。

圓谷さんのヘアカットの仕上がり

圓谷さんのカットモデル

カットモデルも務めさせて頂いた。ちなみに、カット料金は5,000円だ。

「このお店はまだまだこれから。進化の途中です。どんな風になるかわからへんけど(笑)」

そう微笑む圓谷さん。話していると、ご自身の好きなヘアスタイルと同じように潔くて真っ直ぐな性格をしていることや、とても明るくて気さくな人柄が伝わってくる。

そんな圓谷さんの新店舗、ステラ。圓谷さんの想いの通り、前向きでキラキラした人たちが集まる素敵な空間になって欲しいと願う。来月のヘアカットも楽しみだ。

(取材・文 : 充紀 / 写真 : yukina

◎ 店舗基本情報
■ Hair and Esthetic STELLA….(ヘア アンド エステティック ステラ)
– 住所 : 京都市上京区堀松町419 machiwork御所西2F-D(→ Google Map
– 営業時間 : 10:00〜20:00
– 定休日 : 不定休
– URL : ホットペッパービューティー

◎ 圓谷静香さんのSNS
Twitter / note / Instagram

この記事書いた人

充紀

職業フリーライター
『空き家バンク京都』のシェアハウスに入居中
シェアハウスに住むのは東京・神奈川に続きこれで三軒目
趣味は散歩・筋トレ・神社巡り・美術館巡りなど。伏見稲荷大社によく出没
Webライターとしては主にヘアケア・開業・シェアハウス関連の記事を執筆