• 空き家の売却方法が知りたい
  • 売却の手順を理解したい
  • 空き家売却のコツを学びたい

空き家の売却は、基礎知識を身に付けたうえで適切な方法を選択することが成功への第一歩です。理解しないまま売却を進めると、不適切な管理や査定ミスで大きな損失や予期せぬトラブルに巻き込まれる恐れがあります。

今回は、空き家売却の基礎知識や売却方法の選択、主な流れ、法的手続き、補助金制度、売却後にやるべきことまで幅広く解説。当記事を読むことで、スムーズかつ適切な方法で空き家を売却できるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

空き家を放置するリスク

空き家を放置すると、主に以下のリスクが発生します。

  • 管理する手間や維持費(管理や税金など)が発生し続ける
  • 自治体の勧告に従わない場合は固定資産税が最大6倍になる
  • 老朽化による倒壊リスクが高まる
  • 近隣住民や通行人に損害を与える可能性がある
  • 不法侵入や犯罪の温床など治安悪化につながりやすい
  • 空き家の価値が下がっていく など

空き家を放置すると多くのリスクが発生するため、売却を含めた早期の対策が必要です。

空き家を売却するメリット・デメリット

空き家を売却するメリットは、以下のとおりです。

メリット詳細
経済的な負担を軽減できる空き家を所有しているだけで、固定資産税や維持管理費がかかる。売却することで、これらの経済的負担がなくなる。
現金化できる売却によってまとまった資金が得られるため、新たな不動産投資や生活費、老後資金などに充てられる。
管理の手間がなくなる空き家を所有していると、定期的な清掃やメンテナンス、近隣トラブルの対策が必要。売却すれば、こうした手間から解放される。
防犯・防災リスクを減らせる放置された空き家は、放火や不法侵入のリスクが高まるため、近隣住民にも影響を及ぼす。売却して活用してもらうことで、防犯・防災対策にもつながる。
空き家特例による税制優遇を受けられる相続した空き家の場合、「相続空き家の3,000万円特別控除」等の税制優遇を活用できる可能性がある。条件を満たせば、譲渡所得税を大幅に軽減できる。

続いて、空き家を売却するデメリットも見てみましょう。

デメリット詳細
すぐに売れるとは限らない空き家の立地や状態によっては、買い手がなかなか見つからず、売却までに時間がかかることがある。とくに、地方の空き家は流動性が低いため、売却が難しい場合も。
売却費用がかかる売却する際には、不動産会社に支払う仲介手数料や登記費用、必要に応じたリフォーム費用などが発生する。
売却益に税金がかかる場合がある空き家を売却して一定額の利益が出た場合、譲渡所得税や住民税がかかる。とくに、購入から5年以内の短期譲渡では税率が高くなるため、売却のタイミングを慎重に考える必要がある。
思った価格で売れない可能性がある市場の動向や物件の状態によっては、希望価格よりも安い価格で売却せざるを得ない場合がある。とくに、老朽化した空き家は、修繕費を考慮した値引きを求められることが多い。
解体すると固定資産税が上がる更地にして売却を考える場合、住宅用地の特例(固定資産税の軽減措置)がなくなるため、売れるまでの税負担が増える可能性があり。

メリットだけではなく、デメリットも含めて売却を検討することが大切です。

空き家を売却する5つの方法

空き家を売る方法には、主に以下の5つがあります。

  • 仲介で売る
  • 買取で売る
  • 更地にして売る
  • 空き家バンクで売る
  • 個人売買で売る

それぞれのメリット・デメリットを含めて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

仲介で売る

不動産会社に仲介を依頼して市場に公開し、一般の購入希望者(買主候補)を見つけて売却する方法です。

メリット
  • 市場価格で売れる可能性が高い
    (需要があれば高値での売却も可能)
  • 売却活動を不動産会社に任せられる
    (広告や内覧対応などを代行してくれる)
  • 幅広い購入希望者と交渉できる
    (個人・投資家・法人など)
デメリット
  • 売却までに時間がかかることがある
    (平均3~6か月)
  • 仲介手数料が発生する
    (800万円以下:最大30万円+消費税、800万円超:売却価格の最大3%+6万円+消費税)

買取で売る

不動産会社に直接売却し、即現金化する方法です。

メリット
  • 早く売れる
    (最短で数日~1か月程度で売却完了)
  • 購入希望者との交渉が不要
    (不動産会社が直接購入するため手間がかからない)
  • 契約不適合責任の免責が認められる可能性あり
    (売却後のトラブルリスクが低い)
デメリット
  • 市場価格より売却価格が低くなる
    (相場の6~8割程度が一般的)
  • 選べる不動産会社が限られる
    (買取を行っていない会社もある)

更地にして売る

空き家を解体し、土地のみを売る方法です。

メリット
  • 購入希望者が見つかりやすくなる
    (土地活用の自由度が高いため需要が広がる)
  • 固定資産税を抑えられる
    (解体後は税負担が増えるものの、売却後は負担なし)
  • 建物の老朽化や倒壊リスクを解消できる
    (安全が保たれる)
デメリット
  • 解体費用がかかる
    (目安:木造30坪で100~200万円ほど)
  • 更地にすると固定資産税が上がる
    (特例がなくなり最大6倍になる)
  • 購入希望者によっては建物付きのほうがよいケースもある
    (購入希望者の選択肢が狭くなる)

空き家バンクで売る

自治体が運営する「空き家バンク」に登録し、購入希望者を募集して売る方法です。

メリット
  • 費用をかけずに売却活動ができる
    (自治体が無料で掲載してくれる)
  • 地方移住希望者など特定の層にアプローチできる
    (県外の購入希望者へのアピールもできる)
  • 補助金制度が利用できる可能性あり
    (自治体によっては解体費や修繕費の補助がある)
デメリット
  • すぐに売れるとは限らない
    (購入希望者が少なめで売却まで時間がかかることが多い)
  • 登録条件がある場合がある
    (自治体によっては対象物件が限定される)
  • 交渉や手続きは自分で対応する必要がある
    (トラブルが発生しやすい)

個人売買で売る

不動産会社を介さず、親族や知人、物件への理解が深い方などに直接売る方法です。

メリット
  • 仲介手数料が不要
    (不動産会社を介さないためコスト削減できる)
  • 自由に価格や条件を設定できる
    (柔軟な交渉が可能)
  • 知人間で売買する場合、信頼関係が築きやすい
    (ある程度の融通が効きやすい)
デメリット
  • 契約や手続きの専門知識が必要
    (売買契約書の作成、登記手続きなど)
  • トラブルリスクが高い
    (支払い遅延や契約不履行の可能性)
  • 購入希望者を見つけるのが難しい
    (広告や集客を自分で行う必要がある)

このようなメリット・デメリットを考慮したうえで、適切な売却方法を選択しましょう。

空き家売却の主な流れとポイント

空き家売却の基本的な流れは、以下のとおりです。

  1. 売却前の準備
  2. 価格査定
  3. 媒介契約の締結
  4. 売却価格の決定
  5. 売却活動
  6. 購入希望者との交渉
  7. 売買契約の締結
  8. 決済・引き渡し

それぞれのポイントも含めて解説します。

1.売却前の準備

空き家を少しでも高くスムーズに売却するためには、事前の準備が欠かせません。できる限り、以下の準備を行うようにしましょう。

事前準備詳細
整理・清掃不要な家具や荷物などを処分し、室内外をきれいに清掃。不動産会社や購入希望者に与える印象が良くなる。
必要書類の準備権利証、固定資産税納税通知書、測量図などの必要書類を整えておく。不動産関連の書類を集めるには時間がかかることも。事前の準備により契約がスムーズに進む。
補修やリフォーム簡単な修繕やリフォーム(壁の塗り直し、水回りの点検など)を検討。物件の価値が上がる可能性あり。
境界確定や測量境界が不明確な場合、測量を依頼して境界確定を行う。後々のトラブルを避けられる。

しっかり準備しておけば、売却の際に問題が少なく、より良い条件での取引が可能です。

2.価格査定

次は空き家の価格査定です。空き家を適正価格で売却するためにも、以下のポイントを抑えておきましょう。

ポイント詳細
複数の査定依頼複数の不動産会社に査定を依頼し、相場を把握する。査定額が異なることも多いため、複数の業者から査定を受けることが重要。
業者選び不動産会社を選ぶ際は、査定額だけではなく実績や信頼性、担当者の対応、会社の口コミなども考慮する。
無料査定サイトの活用複数の不動産会社に査定を依頼する時間がない場合は、無料査定サイトを活用する方法もある。
査定額の比較と交渉査定額を比較して価格交渉の余地がある場合は、柔軟に対応する。ただし、「査定額(目安の価格)=売却価格(最終的な価格)」ではないことは理解しておく。

これらのポイントを意識して査定を受けると、適正価格で売却しやすくなります

3.媒介契約の締結

価格査定を終えたら、不動産会社に空き家の売却を依頼するために媒介契約を締結します。媒介契約は「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類。それぞれの特徴は以下のとおりです。

項目一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
複数社への依頼可能
(複数の不動産会社と契約OK)
不可
(1社のみ)
不可
(1社のみ)
自己発見取引
※売主が直接購入希望者を見つける取引
可能
(手数料不要)
可能
(手数料不要)
不可
(手数料必要)
売却活動の報告義務なしあり
(2週間に1回以上)
あり
(1週間に1回以上)
レインズ(不動産流通機構)への登録義務任意必須
(契約から7日以内)
必須
(契約から5日以内)
契約期間制限なし
(一般的には3か月)
最長3カ月
(自動更新なし)
最長3カ月
(自動更新なし)
向いている人自分でも購入希望者を探したい、広く情報を拡散したい信頼できる1社に任せたい、報告を受けたい早期売却を希望し、不動産会社に積極的な売却活動をしてほしい

※レインズ:不動産会社専用の物件情報サイト。登録すれば、より購入希望者が見つかりやすくなる。

どの契約を選ぶかは、売却のスピードや手間のかけ方、希望する売却方法によって異なります。契約内容をよく理解し、自分に合った媒介契約を選びましょう

4.売却価格の決定

媒介契約を締結した後は、適正な売却価格の決定を行います。売却価格を決定する際は、以下の点を考慮しましょう。

ポイント詳細
市場の需給バランス地域や時期などの条件によって需要と供給が異なる。競合物件の取引事例を参考に、相場に合った価格を設定する。
価格調整の柔軟性最初は高めに設定して反応を見つつ、柔軟に価格を調整できる余地を持たせておく。
早期の販売戦略売却を急ぐ場合は、早期売却のために安めの価格設定も検討。

売却価格は適正な価格を設定することが大切です。適正な価格であれば、購入希望者が現れやすくなり、スムーズな取引が実現できるでしょう。

5.売却活動

次は、空き家を売るための売却活動です。不動産会社が広告や宣伝を行い、購入希望者を募集します。売却活動は、以下の方法が一般的です。

  • レインズへの登録(専任媒介・専属専任は義務)
  • 不動産ポータルサイトへの掲載(SUUMO・HOME’S・アットホームなど)
  • 不動産会社の自社サイトや店頭での紹介
  • 購入希望者への直接アプローチ(既存の顧客リストや問い合わせ対応)
  • チラシや折込広告を活用した集客 など

売却を成功させるには、物件の魅力を正しく伝えることが重要です。とくに、写真や間取り図を工夫し、物件の魅力を最大限アピールすることで、問い合わせ数を増やすことができます。また、内覧対応も重要です。事前に空き家の整理や清掃を行い、購入希望者に良い印象を与えることが売却成功の鍵といえます。

6.購入希望者との交渉

購入希望者が見つかった場合、具体的な売却条件の交渉を行います。主な交渉ポイントは、以下のとおりです。

ポイント詳細
売却価格購入希望者が希望する金額と調整
(値引き交渉が入ることも多い)
引渡し時期売主・購入希望者双方のスケジュールに合わせて調整
特約の有無本契約に付随して決めるべき条件(例:瑕疵担保責任の免責・手付解除・ローン不承認時の解除・引き渡し猶予・現況有姿など)

価格交渉の際は、不動産会社と相談しながら相場を考慮しつつ柔軟に対応します。とくに、特約は売買契約後のトラブル防止になるため、事前に不動産会社と相談しつつ決めましょう。

7.売買契約の締結

購入希望者との交渉が成立したら、「売買契約」を正式に結びます。契約時の流れは、主に以下のとおりです。

  1. 売買契約書の作成(不動産会社が用意)
  2. 手付金の受領(売却価格の5〜10%)
  3. 重要事項説明(宅地建物取引士が説明)
  4. 契約書への署名・押印
  5. 今後のスケジュール確認

また、売買契約時に必要な書類等も見ていきましょう。

  • 権利証または登記識別情報
  • 身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)
  • 実印
  • 固定資産税納税通知書
  • 建築確認済証、検査済証
  • 境界確認書、測量図
  • 印鑑証明書(必要な場合)
  • ローン残高証明書(抵当権がある場合)
  • 住民票(登記名義人が異動している場合) など

売買契約では多くの書類が必要になるため、事前に不動産会社に確認しながら用意すると良いでしょう。そのほか売買契約時は、後のトラブル回避のためにも、以下の内容を注意深く確認しながら進めます。

  • 物件情報、価格、支払条件、引き渡し日などの記載ミス
  • 用途制限や建築制限などの法的リスク
  • 契約不適合責任の範囲
  • 契約解除のルールとペナルティ
  • 特約の内容
  • 引き渡し日までの手続きやスケジュール など

8.決済・引き渡し

無事に売買契約の締結が完了した後は、残代金の支払いを受け、物件を引き渡します。決済・引き渡しの流れは、以下のとおりです。

  1. 残代金の受領(買主から売主へ)
  2. 登記手続き(所有権移転の手続き)
  3. 鍵や書類の引き渡し(物件の引き渡し完了)
  4. 仲介手数料の支払い(不動産会社へ)

このような流れで、空き家売却は一通り完了です。

空き家売却にかかる主な費用と税金

空き家売却にかかる主な費用と税金の目安は、以下のとおりです。

費用詳細
仲介手数料800万円以下:最大30万円+消費税
800万円超:売却価格の最大3%+6万円+消費税
登記費用所有権移転登記:3万~7万円
相続登記:5万~10万円 など
解体費用木造:3~5万円/坪
鉄骨造:5~7万円/坪 など
※更地にする場合
測量費用簡易測量(現況測量):10万~30万円: 
境界確定測量:40~80万円
※境界確定が必要な場合

主な税金も見てみましょう。

費用詳細
譲渡所得税長期(5年超):20.315%
短期(5年以下):39.63%
※平成25年から令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税に加算
印紙税売買価格に応じて最大60万円

空き家売却では、費用(仲介手数料・登記費用など)と税金(譲渡所得税・印紙税など)が発生します。また、費用は状況によって変動するため、事前に確認しておくことが重要です。

参考元:国税庁|No.3211 短期譲渡所得の税額の計算
        No.3208 長期譲渡所得の税額の計算
        No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

空き家売却後の確定申告が必要なケース

空き家売却後は、以下の場合に確定申告が必要になります。

  • 売却益が出たとき
  • 空き家に関する控除を利用したとき

それぞれ解説します。

売却で利益が出た場合

空き家売却で利益が出た場合は、「譲渡所得」として確定申告が必要です。譲渡所得は、以下の計算で算出できます。

譲渡所得=収入価格 -(取得費+譲渡費用)-特別控除額
  • 収入価格:空き家を売った際の価格
  • 取得費:購入時の代金、取得時の仲介手数料など
    (取得費が不明な場合は譲渡価格の5%相当額)
  • 譲渡費用:譲渡時の仲介手数料、印紙税など
  • 特別控除額:特例で控除できる額

取得費と譲渡費用よりも収入価格(売却価格)が多い場合は、忘れずに確定申告を行いましょう

参考元:国税庁|No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

「特別控除の特例」などを利用する場合

空き家売却で出た利益は、以下の特例により節税できます。

  • 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
  • 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例
  • 低未利用土地等の長期譲渡所得の特別控除 など

特例を活用すれば、大きな節税につながります。ただし、上記の特例を活用する場合は、譲渡所得が0円になったとしても確定申告が必要なことは覚えておきましょう。

参考元:国税庁|No.3302 マイホームを売ったときの特例
        No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
        No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除

空き家売却時のトラブル事例と対策

今回ご紹介する空き家売却時のトラブル事例は、以下のとおりです。

  • 買い手が見つからない
  • 隠れた欠陥(瑕疵)が見つかる
  • 近隣トラブルが起こっている
  • 固定資産税を滞納している
  • 相続登記が完了していない
  • 解体すべきか判断できない

対策も含めて解説します。

買い手が見つからない

買い手が見つからない事例としては、以下のようなトラブルが挙げられます。

  • 売却を開始して半年以上経つが、問い合わせすらほとんどない
  • 築年数が古く、建物の状態が悪いため購入希望者が現れない
  • 地方の物件で需要が少なく、不動産会社にも積極的に扱ってもらえない

主な対策としては、以下のとおりです。

対策詳細
価格の見直し市場価格と比較し、適正な価格に設定
買取業者に相談不動産買取業者なら即時現金化が可能
売却方法を変える更地にして売る
(古家付き土地より需要が高まる場合がある)

リフォーム後に売る
(改修費用を考慮し、費用対効果を検討)

空き家バンクや地方移住支援制度を活用
(自治体のサポートを受ける)

買い手が見つからず、売却活動が長期化することで、空き家の価値がどんどん下がっていきます。一方で老朽化による倒壊等の危険性は上がるでしょう。できる限り早めの対策が必要です。

売却後、買主の知らなかった欠陥(瑕疵)が見つかる

売却後、買主の知らなかった欠陥(瑕疵)が見つかる事例としては、以下のようなトラブルが挙げられます。

  • 「雨漏りがあった」「シロアリ被害がある」などのクレームが入り、修理費を請求される
  • 知らなかった不具合(床の傾き・配管トラブルなど)が発覚し、裁判沙汰に発展する

主な対策としては、以下のとおりです。

  • 事前にインスペクション(住宅診断)を行い、物件の状態を明確にする
  • 重要事項説明書に、問題を正直に記載する
  • 特約に免責事項を記載する

売却後のトラブルは、事前のインスペクションや特約などによって回避しやすくなるでしょう。ただし、特約で免責事項を記載する際は、範囲を広げすぎると売主の負担が大きくなり、絞りすぎると買主の負担が大きくなります。免責事項のバランスも考慮すると良いでしょう。

近隣トラブルが起こっている

近隣トラブルが起こっている事例としては、以下のようなトラブルが挙げられます。

  • 空き家の売却後、「隣の家の庭木が越境している」とクレームが入る
  • 過去に騒音トラブルやゴミ出しトラブルがあり、買主が購入をためらう
  • 「近隣の住民がクレーマーで、引っ越し後のトラブルが怖い」と買主が契約をキャンセル

主な対策としては、以下のとおりです。

  • 境界トラブルがある場合は、事前に測量して隣地所有者と協議する
  • 近隣トラブルがある場合は、不動産会社や弁護士などに相談する
  • 不動産買取業者に売却する

境界や周辺環境などの近隣トラブルは、専門家による適切な対処がなければ、問題が長引く可能性があります。隣人トラブルがある場合は、専門家への相談が早期解決への近道です。

固定資産税を滞納している

固定資産税を滞納している事例としては、以下のようなトラブルが挙げられます。

  • 空き家の所有者が固定資産税を長期間滞納していたため、差し押さえられていた
  • 売却手続きを進めようとしたが、税金の未納分を支払わないと売却できないといわれた
  • 買主が固定資産税の滞納を理由に契約を解除した

主な対策としては、以下のとおりです。

  • 売却前に固定資産税の納税状況を確認し、未納分を清算する
  • 税金の支払いが困難な場合は、分割払いの相談を自治体にする
  • 差し押さえ前であれば売却益を使って滞納分を支払うことが可能

固定資産税を滞納している場合は、未納分を早期に精算することが大切です。固定資産税の滞納期間が長引くほど、自治体からの差し押さえに発展する可能性が高くなります。差し押さえ前であれば通常通り売却できるため、不動産買取業者に相談してみましょう。

相続登記が完了していない

近隣トラブルが起こっている事例としては、以下のようなトラブルが挙げられます。

  • 親が亡くなった後、名義変更をしておらず、売却ができない
  • 相続人が複数いるため、売却の同意が取れずに手続きが進まない
  • 相続登記を放置していたため、法務局で所有者不明土地として扱われた

主な対策としては、以下のとおりです。

  • 相続登記を早めに行う(2024年4月から義務化)
  • 相続人が複数いる場合は、遺産分割協議書を作成して全員の同意を得る
  • 相続トラブルを避けるため、弁護士や司法書士に相談する

相続関連のトラブルは、時間がかかりやすい問題です。相続登記を行っていない場合、時間の経過とともに相続人が増えてしまうことで、全員の同意を得るのに時間がかかる可能性があります。専門家に相談して、早めの対策を行いましょう

空き家売却を成功させるポイント

空き家売却を成功させるには、以下のポイントを実践しましょう。

  • 早く売るための工夫を行う
  • 空き家の価値を上げるリフォーム・修繕を行う
  • 「空き家の3000万円特別控除」等の特例を活用する
  • リフォーム補助金を活用する
  • 自治体による空き家対策と支援制度を活用する

それぞれ解説します。

早く売るための工夫を行う

空き家を早く売却できるようにするためにも、清掃や整理整頓、不用品の処分を行いましょう。少しでもキレイにしておくことで、内覧時のイメージがアップします。

また、家具やインテリアを設置し、好印象を与えるホームステージングの活用も有効です。ホームステージングの活用により、成約率が高くなる可能性があります。早期売却したい場合は、不動産買取業者に依頼するなど、売却方法を工夫しましょう。

空き家の価値を上げるリフォーム・リノベーションを行う

リフォーム・リノベーションは、空き家の価値を上げられる可能性があります。とくに、リフォーム・リノベーションをしたほうが良い箇所は、以下のとおりです。

  • キッチン、トイレ、浴室、洗面台などの水回り
  • 雨漏りの原因となっている屋根や外壁など
  • 汚れていたり破れていたりする壁紙
  • 汚れや傷ついているフローリングや畳 など

リフォーム・リノベーションを行う箇所を見極め、予算と売却価格とのバランスを考慮して行うことがコツです。

「空き家の3000万円特別控除」等を活用する

空き家を売却して譲渡所得が発生した場合は、金額や所有期間によって税金がかかります。しかし、空き家の3,000万円特別控除等を活用すれば、本来の譲渡所得よりも低い金額に抑えることが可能です。

たとえば、相続で得た不動産の譲渡所得が3,000万円だった場合に「空き家の3,000万円特別控除」を活用すれば、譲渡所得が0円になり税金がかかりません。不動産の譲渡所得は金額が大きいため、特別控除による節税効果は高いといえるでしょう。

参考元:国税庁|No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

空き家のリフォーム・リノベーション補助金を活用する

空き家のリフォーム・リノベーション補助金を活用すれば、費用を抑えながら価値を上げて売却することが可能です。たとえば、岐阜県海津市では「空家等改修補助金」が交付されています。空き家の利活用を促進するために、所有者や入居者などに対して改修費の一部を補助してくれる補助金です。

補助額は最大100万円/件(補助率1/2)。空き家のリフォーム・リノベーション費用を抑えることができるでしょう。結果的に、空き家売却の利益を最大化することが可能です。このような補助金は自治体ごとに交付されている事が多いため、お住まいの地域で検索してみてください。

参考元:海津市|空家等改修補助金のご案内

自治体による空き家支援制度を活用する

自治体では空き家売却に役立つ「空き家バンク」の運営を行っています。空き家バンクは、自治体のホームページ等で空き家の物件情報を掲載し、売主(貸主)と買主(借主)を直接マッチングしてくれるサービスです。

空き家バンクへ登録することで、買主(借主)が見つかりやすくなります。また、多くの自治体では無料で利用できることが多く、補助金の活用もしやすくなることから、費用を抑えられる点も魅力的です。ただし、不動産会社が関与しない場合はトラブルに発展しやすくなるため、必要に応じて仲介を依頼しましょう

適切な方法で空き家売却を成功させよう!

空き家を売却する際は、売却方法の選択や価格設定、売却前の準備や流れ、成功させるポイント などを押さえることが重要です。とくに、以下のポイントは押さえておきましょう。

ポイント詳細
売却方法を選ぶ仲介・買取・個人売買 のメリット・デメリットを理解し、自分に合った方法を選択する。
適正価格を見極める不動産査定や市場相場を確認し、適切な価格設定 を行うことが高く売るコツ。
売却前の準備を徹底する荷物の処分・境界確認・リフォームの検討 など、売却活動をスムーズに進めるための準備が重要。
税金や費用を把握する売却後の譲渡所得税・仲介手数料 など、必要な経費を事前に計算しておく。
トラブルを避けるための対策をとる購入希望者との契約内容・瑕疵担保責任・近隣問題 など、リスクを理解してトラブルを未然に防ぐ。

空き家を放置すると、倒壊の危険性が高くなるだけではなく、経済的負担が増えるリスクがあります。空き家売却を行う際は早めに準備を進め、自分にとって最適な価格や方法で売ることが大切です。