シェアハウスって、一人暮らしするより安いイメージがありますよね。生活費を節約したい方、貯金したい方など、シェアハウスが気になる方も増えてきているようです。
しかし、イメージこそあれど「実際のところ」はよく分からないシェアハウス……実際、シェアハウスの家賃は安いのでしょうか? どのくらい節約できるのでしょうか?
はじめまして!実際にシェアハウスで暮らすWebライター充紀と申します。
シェアハウスって安いかどうかだけじゃなく、トラブルはないのか、デメリットはどうなのか、など心配事もありますよね。
僕は東京・神奈川・京都と3軒のシェアハウスに住んだ経験があるので、今回はそのあたりの実体験を交えて解説していきたいと思います!
どうも!充紀さんが入居しているシェアハウスの管理会社『空き家バンク京都』の代表を務める鈴木と申します。 少しでもシェアハウスの実態や魅力を知って貰えたらと思います!
それでは早速、本題の「シェアハウスの家賃は果たして安いのか」からお答えしていきましょう!
そもそもシェアハウスってどんなところなのか、イメージが湧かない方はこちらの記事も読んでみてください!
シェアハウスの家賃は果たして安いのか!? | 実はそれほど安くないが、コスパならめっちゃ良い!
シェアハウスの家賃は果たして安いのか?
結論ですが、実は、家賃は言うほど安くないんです。でもお得じゃないわけではありません。
「実はそれほど安くない。でも、コスパならめっちゃ良い!」
これがシェアハウス費用の本当のところです。
どう言うことなのか、もう少し詳しく解説してみましょう。
シェアハウスの家賃相場
国土交通省の調査によると、シェアハウスの家賃相場は4〜6万円程度です(管理費・共益費などを含む)。 シェアハウス全体の50%がこの価格帯となっています。
一般的な一人暮らしの全国平均家賃は約5.1万円(※)ですので、さほど変わりないことがわかります((※ 2020年11月度 全国賃貸管理ビジネス協会の調査報告より)。
上のグラフをみると、家賃4万円未満の格安シェアハウスは全体の15%以下にすぎないことがわかります。また、シェアハウスの10%以上は月7万円以上の家賃を設定しています。
つまりは、シェアハウスの家賃は際立って安いわけじゃないし、むしろ一人暮らしより高いことすらあるってことですね。
それでは、家賃が安いわけではないのになぜコスパが良いのでしょうか?
シェアハウスのコスパが良い理由 | シェアハウスに住む費用面のメリット
シェアハウスは家賃が安くなくても、初期費用や毎月の生活費もトータルで考えたら明らかに安くなります。さらに、同じ価格帯の家賃で一人暮らしするより、生活の質まで向上します。
その理由は4つです。
理由① 水道光熱費・インターネット代が家賃に含まれている
まず、生活費が安くなる一番の理由はこれです。水道光熱費やインターネット代は家賃・管理費・共益費の中に含まれています。
一人暮らしで普通に生活して、光回線の契約もしたら毎月1万5千円程度はかかります。先ほど提示したシェアハウスの家賃相場4〜6万円はこれらの分も含んだ料金なので、毎月の固定費に結構な差が出るのです。
水道光熱費が毎月一定になるので、支出が読みやすくて助かるって声もよく聞きますね!
理由② 消耗品代や食費が安く済む
シェアハウスではリビング・ダイニング・キッチン・トイレ・浴室などは共同で利用します。そのため、みんなが使うティッシュやトイレットペーパー、食器用洗剤、掃除道具などの消耗品は管理会社が支給してくれます。
また、シェアハウスは割と自炊する方多い傾向にあります。
僕も結構自炊してますね! シェアハウスは1Rや1Kの一人暮らしと違って広々としたキッチンがあるので、快適に料理できるのが大きな理由だと思います。
もしかしたら「他の人がしてるのに釣られて」って効果もあるかもしれないですね。
自炊が増えることで、結果的に食費を抑えられるわけです。
理由③ 同じ賃料の一人暮らしと比較して設備が良い
シェアハウスに住む大きなメリットが、充実した設備面です。一部の格安シェアハウスを除けば、大抵の物件で広いキッチン、ダイニング、リビングがついています。
また、自分で購入したら高くついてしまう洗濯乾燥機や大型テレビなどを備えていることも多いです。庭やバルコニーなどが付いていることもあります。
少し家賃高めのシェアハウスなら、ジムや防音室、菜園、高級家電などをコンセプトに合わせて備えているところもありますよ!
同じ価格帯で比較したら、間違いなくシェアハウスの方が充実した環境で生活することができるわけです。
理由④ 初期費用が安い
そしてもう一つ、シェアハウスがお得な理由は入居時の初期費用です。
シェアハウスは基本的に敷金・礼金がありません。代わりに保証金として「デポジット」を収めるところは多いですが、一般的な敷金と比較してかなり安いのが通常です。
デポジットなしのところも多いですし、あっても1万円〜5万円ほどですね。
ちなみに、うちのシェアハウスは「入居・退去が手軽にできる」を特徴としているので、デポジットはいただいておりません。「空き家バンク京都の物件間の移動なら無料でOK」という特徴もありますよ!
また、通常なら家賃半月分かかる中間手数料もありません。
シェアハウスは不動産業者に頼らずインターネットをメインに集客しているのが理由ですね。不動産業者を通していないので、当然仲介手数料はかからないわけです。
加えてシェアハウスは家具家電付きですぐに住める状態になっている物件がほとんどなので、これらを買い揃える費用も節約できます。
僕は、単身のうちはあまりモノを持たずミニマムに暮らしたいな、と思っているので、シェアハウスはぴったりですね!
シェアハウスと一人暮らしの初期費用や毎月の生活費を比較
以上を踏まえて、シェアハウスで暮らす場合と一人暮らしをする場合とでかかる費用を比較してみましょう。
例えば、家賃6万円の物件に住むとします。まず、入居時の初期費用はこのくらい変わります(敷金・礼金1ヶ月とします)。
シェアハウス | 一人暮らし | |
---|---|---|
初月家賃 (共益費等含む) |
6万円 | 6万円 |
敷金・礼金 (保証金・デポジット) |
2万円 | 12万円 |
仲介手数料 | 0円 | 3万円 |
家具家電など | 0円 | 最低でも10万円 |
合計 | 8万円 | 30万円以上 |
このように、初期費用はかなりの差が出ます。続いて、毎月の固定費を比較してみます。
シェアハウス | 一人暮らし | |
---|---|---|
家賃 (共益費等含む) |
6万円 | 6万円 |
水道光熱費 | 0円 | 8,000円〜15,000円 |
通信費 | 5,000円〜10,000円 | 10,000円〜15,000円 |
合計 | 約7万円 | 約9万円 |
簡単な話、水道光熱費とインターネット回線代だけ差が出ます。金額にしたら、毎月1.5〜2万円は変わります。
外食・コンビニ飯メインから自炊メインに変えれば、さらに多くの節約ができますね。
こんな人は向かない? シェアハウスのデメリット
シェアハウスの生活には多くのメリットがあります。とはいえ、やはりデメリットもあるわけです。
次のいずれかに当てはまる方には、あまりシェアハウスは向いてないかも知れません。
- トイレやお風呂が共用は耐えられない
- 他人と交流したくない
- 何をするにも、自分のタイミングでやれないと嫌だ
- 普段の生活の中で、他人にちょっとでも気を遣うのは面倒だ
- 細かいことを気にしてしまう
- 不満や困り事がある時、誰かに相談するのが苦手
他人との共同生活なので、適度に気を遣い合うことでより良いコミュニティになると感じます。
どうしても水回りは共同利用になるので、それ自体が嫌という方は向いてないでしょう。
また、生活の中で不便なことや困り事・トラブル等があったとき、入居者間で話し合ったり管理担当の方へ相談したりと言うことが苦手で、誰にも相談せず抱え込んでしまうという方だと、物件に合わなかったとき辛いかも知れません。
快適なシェアハウスの生活は入居者たちと管理人で協力して作り上げていくものだと感じます。
格安シェアハウスはやめておけ! 激安だけどデメリットだらけ
ところで、シェアハウスの中には「家賃・光熱費込み3万円台」といった格安シェアハウスもあります。値段だけで言えばもちろんこれ以上なく節約できますが、実際のところどうなのでしょうか?
答えは「極端な格安シェアハウスは正直避けるべき」で間違いありません。
僕は「日割り計算OK」という池袋の格安シェアハウスを2日間だけゲストハウス代わりに利用したことがあります。
正直2度と利用したくないし、ましてや住むなんてとんでもないですね^^;
格安シェアハウスは、色々なトラブルに巻き込まれたり、住環境として相応しくなかったり、少し危険なこともあるんです。
管理が行き届いていない場合が多い
これは当たり前な話ですが「家賃が安い=管理費をかけられない」ということです。ビジネスとして考えれば、低価格ならお金も手間もかけられなくて当然ですよね。
ルールがしっかりしていないことも多いし、たとえルールがあっても守られていないこともあります。
住んでいる人に難があることも。騒音や盗難などトラブル多発
そもそもシェアハウス自体、通常の賃貸物件と比較したら入居審査は緩いです。保証人不要な場合も多いです。ましてや格安シェアハウスの場合、入居審査などないに等しいのです。
家賃安めでもしっかり入居審査をしているところもあります。
古民家活用を中心とする空き家バンク京都も家賃は安めですが、内見はできる限り僕自身が担当し、収入等はもちろん、現在のシェアハウス入居者との相性なども踏まえて判断しています。
入居審査がないに等しいような格安シェアハウスには、少し難がある人が集まりやすいです。また、夜勤業務の方も割と多い印象です。生活リズムが真逆だと騒音トラブルなども増えやすくなってしまうので、気を遣い合う必要があります。
基本的に共用部が汚い
管理が行き届いていないことから想像つくと思いますが、基本的に格安シェアハウスは汚いことが多いです。清掃業者が入ることはまずないですし、管理人自身も手をかけません。
僕が2日間だけ利用したところもちょっと綺麗とは言い難かったですね…
何とか共用部の食卓周りくらいは使える程度になっていましたが、玄関やキッチン周りはかなり汚かったです^^;
格安ドミトリータイプはプライベートがない
激安なシェアハウスの場合、個室なしのドミトリータイプが多いです。
ドミトリータイプとは、一部屋に2段ベッドが複数置いてあるようなシェアハウスです。自分の占有スペースは、割り当てられたベッドの上のみとなります。
自分の部屋がないので、プライベートがまったく確保できないのは辛いところですよね。
荷物・貴重品の管理にも気を遣いますね。
結局、シェアハウスはメリットとデメリットどっちが多い?
シェアハウスには費用面をはじめ、普段出会えないような人と交流できたり、ちょっとした助け合いができたり、充実した設備が使えたりといったメリットがたくさんあります。
デメリットも考慮すると、普通に一人暮らしするのとシェアハウスに入るのでは結局どちらが良いのでしょうか?
これは一律で比較できるものではなく、「その人の価値観」と「物件次第」で大きく変わると思います。
価値観についてはいうまでもありませんね。でもそれ以上に大事なのは、「安心できて、自分にあっているシェアハウスを選ぶこと」です。
簡単な話、快適なシェアハウスに入居すれば楽しいしコスパもいいし、圧倒的にメリットだらけです。
でも逆に、自分に合わない人がいたり、管理がずさんだったりすれば、メリット以上のデメリットを感じてしまうものです。
ではどうやって自分に合ったシェアハウスを探せば良いのでしょうか?
快適でコスパが良いシェアハウスの探し方・選び方
シェアハウス探しはネットで検索して探すのが一般的です。シェアハウスをネットで探す時や、実際に入居するかどうか判断する時は、次の5点をチェックすると良いでしょう。
- まず、家賃が安すぎるところは選ばない
- 個室よりも共用部を重視する
- コンセプトに惹かれるシェアハウスは内見してみる
- オーナーや管理会社が信頼できそうなところも内見してみる
- 内見時の担当者の対応や人柄を重視する
1つ目は前述の通りですね。詳しくは書きません。
2つ目のチェックポイントは、「共用部」の魅力です。魅力的な共用部があると、自然と入居者間の良い交流が生まれます。
実は、シェアハウス内で良いコミュニティが生まれるかどうかは、「魅力的な共用部」などハード面が大きいって言われてるんです。
長く過ごしたくなるリビングや、使いやすいキッチン・ダイニングなどがあると、そこで自然と会話が生まれますね。
3つ目から5つ目のポイントは一気に解説します。シェアハウス選びで何より大事なのが「内見」です。実際に内見してみて魅力を感じた物件、不安点が少ない物件を選ぶと良いでしょう。
個人的には、設備やコスト面以上に実際に内見してみた「フィーリング」こそ大事だと感じます。
シェアハウスや入居者の雰囲気、内見担当者の感じの良さなどが実際の生活に直結します。一軒で決めてしまわず、何軒か候補を回ってみるのを強くおすすめします!!
シェアハウス物件自体の魅力はもちろんですが、オーナー・管理会社もかなり大切です。
これは、実際に住んでみて強く感じるポイントです。物件担当者との距離が近く、気軽に頼み事や相談ができるシェアハウスを選ぶと不満点が堪らず、快適に過ごすことができますよ!
シェアハウスの家賃は安くはないがコスパが良い!それだけじゃないメリットも
シェアハウスの家賃は際立って安くはないですが、解説してきた通りコスパなら間違いなく良いです。
ただし、コスパの良さを感じ、快適な生活を送るには自分に合ったシェアハウスを見つけることが何より大切です。
自分と価値観の合う仲間がいたり、自分にはない魅力を持った人たちが集まる快適なシェアハウスでの生活は、費用面では計れない価値があります。
「ただいま」「おかえり」がある生活って、それだけでも一人暮らしにはない魅力ですよね。
素敵なシェアハウスが見つかれば、他では味わえない新しい出会いや体験が待っているかも知れませんよ。